【保育士試験合格体験記】素人男が3.5か月で一発合格した話(一次試験編)
はじめに
この記事では、超素人が半年の期間で独学で保育士試験に合格した体験談を記録する。
参考までに、主のスペックは以下の通り↓
性別:男
年齢:31歳
職業:商社営業
子供:1人(二次試験受験後に2人目生まれる)
保育勤務歴:ゼロ
なぜ保育士試験を受けようと思ったかというと、
ちょうど2人目の子供が生まれるので保育・教育を体系的に学びたかったから。
そしてAIに代替できない職業として保育士が挙げられていること。
人生100年時代、自分の仕事と全く関係ない勉強をしてみたかったこと。
まぁつまり、まっとうな理由(保育園で働いていて給料上げたいとか)は無く、
特に重大な必要に駆られていない状況で、超素人が受験したわけである。
こんな感じなので、独学しか選択肢はない。
なんせ1歳の子供がいる家で、こんな理由で多額の金と長時間の拘束時間が必要な
予備校に通うのは、費用対効果が悪いからだ。
結果的に、以下の通り一発合格できた。
(造形だけギリギリだが...)
さて、試験準備の概要をまとめてみよう。
使用したテキスト
使う教材は以下の通り
【基本テキスト】
福祉教科書 保育士 完全合格テキスト 上 約1600円
福祉教科書 保育士 完全合格テキスト 下 約1600円
【問題】
保育士一問一答問題集 約1000円
公開されている過去問(8回分) ※全部両面+一面4枚刷りで印刷 印刷代除けば0円
合計で5000円もしない。試験はコスパである。
学習スケジュールと勉強方法
まず、主が受験した令和3年度後期の試験だが、
一次試験日程 10月23日、10月24日だ。
試験はあくまでこの日に最高瞬間風速をたたき出すことが重要であるので、
準備開始が早すぎても遅すぎてもよろしくない。
そこで主は、試験約3.5か月前の7月5日に試験勉強開始した。
トータルの勉強時間は論じてもあまり意味はないが、約350時間程度。
電車の往復1時間学習+休日に半日学習というような学習ルーチンが基本。
これ以上、多くても少なくてもモレやダレがでると思われる。そういう試験だ。
主の学習スケジュール(実績)は以下の通りであった。
(To From Quantityは基本テキストの各科目の始まりのページ、終わりのページ、総ページ数。つまり学習負担の目安。)
①残り16~14週:
とにかく基本テキストを一通り読む。
わからなくても大丈夫。とりあえず一回上下巻通して読み切る。
ここでマーカーとか引かなくても大丈夫。とりあえず一回上下巻通して読み切る。
重要なのは、今から自分の戦う相手を知ること。
保育士試験は範囲・科目が広大だが、重複箇所も多い。
出てくる用語を見て、「なんとなくこんな言葉が出てくるんだな」って感じで読んでいけばいい。
②残り13~9週:
①から一歩踏み込んで、各科目をもっと深読みする。
人物名や用語、表、年なども覚えるつもりでガッツリ読む。
保育士一問一答問題集がここで役立つ。簡単な実戦も通して知識を固めていこう。
テキスト熟読だけでは自分が何を分かっていないかは分からない。
必ず問題もちょくちょくやって理解を固めよう。
③残り8~6週:
②の続き。当然ながらこの時期になるとしばらく前に覚えた内容を結構忘れている。
なので、新しい科目の深読みと同時に、すでに過去に深読みをやった部分の復習をしよう。
保育士一問一答問題集をここでもう一度解いて(たぶん忘れ具合に絶望するが)
今一度記憶を戻そう。
④残り:5週~最後
公開されている過去問(8回分)を解いてみる。
片手間ではなく、しっかりと集中できる空間で緊張感をもってやるのが望ましい。
順番は特にどうでもいいが、まずは直近の年度のをやるほうがいいかもしれない。
いかんせん科目が多いので8回分X9科目で72回模擬試験することになる。
計画性をもってやりきろう。
ちなみに、主の模擬試験結果の変遷は以下の通り。
(R=令和 H=平成 Z=前期 K=後期)
御覧の通り、1回目はボコボコだが、回数を重ねるごとに安定性が増してくる。
過去問は一問一答よりも問題が深く、考えたことのない視点からの解き方を求められる。
消去法のテクニックも過去問で磨くことになる。
過去問が公式無料公開されている試験は珍しく、全活用しよう。
回答はググればあるし、簡単な解説もググればある。
スマホがあればだいたいの問題は解決する。
学習テクニック
ここまでが基本の学習プランだ。
基本はこのペースでやれば合格できると思っていい。
以下は保育士試験特有の事情のテクニックだ。
保育所保育指針の覚え方
保育士試験の関門のひとつが保育所保育指針の暗記だ。
なんせ量が多く、単語レベルで問われる。
また、各年齢層ごとのねらい・内容も似たり寄ったりだが、そこの違いを問われる。
一方で、単純な暗記モノでもあるので逃してはいけない得点源だ。
しかも複数科目で問われるので、保育所保育指針を捨てるのはかなりリスキーだ。
どこかの体験記やブログで高らかに全部丸暗記したとかいうアホツワモノがいるが、
主は以下の方法を基本的におすすめする。
①最初・最後の部分はだいたい暗記(これはどうしようもない)
②年齢層ごとのねらい・内容は、変わる部分だけ覚える。
②で役立つのが比較用エクセルだ。
主の謹製エクセルをここに公開する。
Dropbox - 20211009_保育指針比較_Share.xlsx - Simplify your life
見てみれば一目瞭然だが、基本は語尾が変わるだけである。
そして変わり方にも一定の法則が垣間見える。
自分なりに、法則性を見いだせれば指針の吸収効率は格段に上がる。
(法則といえども例外も多々出てくるので、各々覚えやすい方法を編み出すほうが良い)
無理な問題の対処
保育士試験には必ず解けない問題が出題される。
「そんなの知らねーし」と声に出ちゃいそうな問題である。
(主の本番試験でも児童ポルノの法律の問題があり、手の出しようがなかった)
過去問でも当然何個も出てくるが、こういう問題は深追いしなくていい。
つまり、その問題の根拠条例とかを見つけて整理・暗記する必要はない。
理由はふたつ。
一つ目、その問題は最初から不正解となる前提で試験設計されているから。
逆に言えば、他に落としてはいけない問題(保育所指針とか)があり、
そこを確実に取れというメッセージでもあるから。
万が一正解だったら、それはただのラッキーボーナスにすぎない。
二つ目、その問題は二度と出題されないから。
仮に似たテーマで出題されても角度や条文を高確率で変えてくるから対処しようがない。
なので、解きようのない無理な問題に出会っても、
記憶の片隅に置く程度にして、もっと重要な部分の学習に時間を使おう。
語呂あわせの活用
保育士試験はワクチンの種類とか法律成立年とか、とにかく覚えにくいものを覚えさせる。
そこで語呂合わせをフル活用することをオススメする。
そして有難いことに、保育士試験に必要なゴロ合わせはだいたいググれば出る。
「これ覚えにくいなー」と思ったらすぐに
「(覚えにくい内容)+覚え方」とか「(覚えにくい内容)+語呂合わせ」でググろう。
学習ノートは作るな
「学習ノート」なるものを作ってはいけない。
基本テキストの内容をまるまる写すようなノートは特に不要だ。
当然ながら、全部基本テキストに書いてるからだ。
何か補足や、メモ、関連事項があれば、基本テキストに書きこもう。
すべての情報はひとつにまとめるほうが効率的であり、
すでにだいたいの情報が書いてある基本テキストにまとめる方が合理的だからだ。
画面検索Ctrl + F の方法
ある程度パソコンを使っている人は知っていると思うがCtrl + F (画面内検索)は覚えておこう。
たとえば、保育所指針でも
「この単語、他にどっかで出なかったっけ?」みたいな疑問は頻繁に出てくる。
そのたびに最初からその単語を目で探すのは効率が悪いし、なんせ疲れる。
Ctrl + Fを押して、その単語を入力すれば、簡単にその単語のある個所を表示してくれる。
このテクは指針のみならず、法律の条文内の単語検索にも使える。
ぜひとも活用しよう。
Youtube動画の使い方
保育士試験は大変学習者が多いので、Youtubeコンテンツも多い。
一見教材代わりになるものも多いが、主はこれをオススメしない。
理由はまず、内容が薄いこと。
そして、何もしなくても視聴が終わった時点で勉強した気分になること。
試験勉強は古き良き本と筆でやるべきである。
紙は一覧性の面でデジタルデバイスより遥かに優秀であり、目に優しい。
筆(マーカー・シャーペン)での記述は指先を使う動作を含むため、記憶の定着率が上がる。
ただ、Youtubeコンテンツも全く使えないわけではない。
前述の学習スケジュール③残り13周程度で一度視聴してみるのはアリで、
主も活用させてもらった。
つまり、ある程度自分の中で知識が固まったあたりで、
いつも使っている基本テキスト以外の角度から知識を再インプットする方法だ。
これによって知識をより強固に、より多面的にする効果がある。
特にほいくんの保育士チャンネルは内容が充実しており、おすすめだ。
おわりに
以上が、主が実践した保育士試験対策の概要だ。
当然ではあるが、保育士試験は「試験」だ。
保育士になりたい気持ちなど酌量されず、ドライに点数で合格不合格の篩分けがされる。
よって、保育士試験に臨む各位には適切な戦略を遂行してほしく、本内容を公開した。
各位のご武運を願う。
実技試験編は後日公開。